英ポンド/円相場は、150円台前半でやや強含みの展開になっている。5月6日には一時154.79円まで値位置を切り上げ、年初来高値を更新した。ドル/円が再び1ドル=100円の節目にトライした影響が大きいが、ポンドそのものも対米ドルで強含むなど、ポンドと円の双方からポンド高・円安が促されている。ただ、9日にイングランド銀行(英中央銀行)金融政策決定会合(MPC)を控える中、早めにポンド買いの利食い売りを進める動きも目立ち、本格的なポンド高・円安トレンドを形成するにも至っていない。
9日のMPCであるが、資産購入枠は現行の3,750億ポンドが維持される可能性が高い。隠然としてインフレ水準が高いことに加え、ここにきて製造業や建設業関連の経済指標に改善が見られることで、追加緩和で合意が形成される可能性は低い。1~3月期はプラス成長となったことが確認されているが、現状ではその勢いが鈍化している兆候は確認できない。今年下期にはイングランド銀行の総裁交代をきっかけに再び緩和議論が高まるが、当面はインフレ抑制の視点が重視されることになるだろう。欧州中央銀行(ECB)は2日に利下げに踏み切っているが、イングランド銀行がこうした動きに追随する可能性は低い。5月10日には3月貿易収支の発表も控えているが、最近の総じて良好な経済指標のトレンドが維持されれば、ポンド高傾向は維持されよう。
一方、円サイドからは相変わらず仕掛けづらい地合が続いている。ドル/円相場は完全にボックス化しており、身動きがとれない状況になっている。5月21~22日の日本銀行・金融政策決定会合までは、円サイドからも仕掛けづらい地合が続く可能性が高い。
今後1週間の予想レンジは、150.50~155.25円。